ヴィレッジヴァンガード流「人を育てる方法」

Share on Facebook
Share on LinkedIn

アルバイトからスタート
時給は低く設定

書籍をはじめ、雑貨やインテリア、ファッション小物

CD、DVDなどを幅広く扱い

 

 

「遊べる本屋」として知られる

ヴィレッジヴァンガード。

 

 

新刊書やベストセラーに頼らない品揃えや

「連想ゲーム」と呼ばれる独特の陳列

 

 

思わず見入ってしまうPOPなどで

高校生や大学生など若年層を中心にファンが多い。

 

 

設立以来、同社では

アルバイトからの採用・登用を基本としてきた。

 

 

アルバイトのきっかけについて

「お客として店に何度も通ううちに

 働きたくなり

 アルバイトを始める人ばかり」

 

 

仕入れにも、店舗の経営や運営の仕方にも

一切本部は介入せず、すべて店長に任せている。

 

 

採用も同様で、

店舗ごとに店長が求める人材を採用している。

 

 

採用基準も店舗によって違い、

『ヴィレヴァンは楽しそう』と憧れだけでは続かないので

 

 

実際には地味で肉体的にも

相当ハードであることを伝え

『それでもいい、がむしゃらに働きたい』

という人を採用するようにしている。

 

 

アルバイトの時給は低く設定

「時給額が高ければ

 応募してくれる人は確かに増える。

 しかし、同時にすぐ辞めてしまう人も増えてしまう。

 時給が低くてもヴィレッジで仕事をしたいという

 強いモチベーションをもった人材を求めているのです」

 

 


 

 

現場で働きながら
自分で売り方を学んでいく

 

アルバイトは働きながら

仕入れ、ディスプレイ方法

POPの描き方、接客などを学んでいく。

 

 

誰かに習うというより

自分で覚えてほしいと考えているため

かなり早い段階でアルバイトに売場を任せている。

 

 

仕入れと返本の仕方は一応教えてもらうが

どんな本を仕入れて並べるかは完全に自由

 

 

『好きにしていい』と言われても、

どうしていいかわからず、近くの書店の棚を見に行ったり

近隣の店舗へ行って自分で勉強する人も多い。

 

 

とはいえ、最初は知識もなく

それまで店長が担当して作り上げた売場を

維持するので精一杯。

 

 

そのうち、自分なりに仕入れて売った本のなかに

売れるものが出てくる。

 

 

そうなると、もう楽しくて仕方ない。

もっと売場を良くしよう、もっと売れる本を探そう

売れるようにPOPを描こうなど

自然に思い行動するようになっていく

 

 

こうした成功体験

本人のやる気引き出している。

 

 

好きなことをやらせてもらえることに、やりがいがある。

だからこそ、お金のことを気にせず頑張れるのです。

 

 


 

「任せる」+「褒める」を
 徹底的に繰り返す

 

人材をどう育てていくかも、基本的に店長次第。

概ね、店長は、その人に仕事を任せるとなれば

本当にすべてを任せてしまうという。

 

 

多少軌道修正することはあっても、ほとんど干渉しない。

『何かあれば相談して』

という程度の関わり方だといいます。

 

 

そして、その人が任された仕事を実践できたら

とにかく褒める

 

 

それをただひたすら繰り返すのが

ヴィレッジヴァンガード流「人の育て方」

 

 

どうしても、

人はダメなところを指摘しがちだが

それがヴィレッジヴァンガードにはない。

 

 

『あの売場、お客さんの反応がいいね』

『POP見て、お客さんがクスクス笑っていたよ』

『あのグッズ、売れたね~。よかったね』という具合に

とにかく良いところを見つけて褒める。

 

 

うまくいかないことは相談に乗る。

マニュアルなどはないが

それぞれ店長自身がそうやって育てられてきたから

伝承芸みたいに

“任せて、褒めて”人を育てている。

 

 

ヴィレッジヴァンガードの大きな特色の一つに

独特な表現が魅力のPOPがある。

 

 

これもマニュアルがあるかと思いきや、ない。

どのPOPも、まったく従業員の自己流なのです。

 

 

入ったばかりのアルバイトに

『POPを描いて』と言うと、たいていは尻込みする。

『字が下手で…』『センスないんで』

 

 

確かに最初は、先輩のマネだったり

実際に下手だったりするが

 

 

それを『よく描いたね』

『売れたのは、あのPOPの効果なんじゃない?』と褒めると

 

 

だんだん楽しんで描いてくれるようになる。

そうすると、そのアルバイト自身がやる気を出し始め

その結果、売場が良くなり、モノも売れるようになる。

 

 


 

 

アルバイト店長を得て正社員に

 

同社では、ほぼ全店長がアルバイトとして入社後

売場を任されて約2年で店長になる。

 

 

ただし、この時点では、まだアルバイト雇用。

そこからさらに約2年

店長職を務めてようやく正社員となる。

 

 

店長になれば、自分の世界観を店全体で実現できる。

そうした店舗運営を

既存の店長が楽しそうにやっている姿に触発され

 

 

多くのアルバイトが自然に店長を目指し

その先にある正社員を目標にしています。

 

 

また、正社員になるとグンと給与が上がる。

好きなことができる業務内容が

最大の魅力ではあるものの

 

 

こうした給料アップも

アルバイトが店長・正社員を目指す

モチベーションアップにつながっている。

 

 

ただし、すべてのアルバイトが

正社員になれるわけではない。

 

 

そこは実力主義に徹している。

店長職に就けるのは

チームワークを大切にできる人だという。

 

 

アルバイトとか正社員の立場を超えて

みんなで考え

 

 

みんなで店舗を作り上げていこうという風土があるので

独断的なリーダーより従業員の意見を吸い上げ

 

 

うまく全体をまとめながら次に進んでいける人

そんなチームを作れる人が店長職として活躍しています。

 

 


 

育てるためにも
失敗を経験させる

 

早い段階で従業員に売場を任せるのは

『失敗が人を育てる』という思いがあるから。

 

 

失敗があるからこそ、成功した時の喜びは大きい。

 

 

ところが、最近の従業員は

この失敗経験がずいぶん少なくそこが問題だという。

 

 

仕入れの理由でも、

『業者さんが勧めるから』とか

『他店舗で売れているから』とか

とても保守的な傾向があり

型破りな人が以前に比べて減っている。

 

 

そうなると各店の個性が消え、均一化してきてしまう。

そこがヴィレッジバンガードが抱える大きな課題だという。

 

 

そのため、本部からは

「もっと従業員に失敗させよう」

各店舗に伝えている。

 

 

ヴィレッジヴァンガードの人材育成には

マニュアルも特別なルールもない。

 

 

 

学べるのは

「先輩たち」「自分の失敗」からでしかない。

 

 

 

だからこそ、一人ひとりを信頼し

任せ、失敗してもらいながら

質の高い人材を育てていくのが

ヴィレッジバンガード流の人材育成なのです。